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運命は動き出す
「アスタリア…私はずっと…あなたを…
愛しています」
私は手を伸ばし目の前にいるアスタリア王子に触れようとした瞬間、現実世界へと引き戻された。
ポカッ
先生に丸めた教科書で頭を叩かれた。
「こら、白石沙羅!俺の授業中に居眠りとは余裕だな。ならこの問題を答えて見ろ!」と、黒板をバンと叩いた。
今は歴史の授業中。
窓際の席で風がそよそよと流れ気持ち良いし、先生の退屈なうんちく話をBGMにすっかり眠ってしまったのだ。
黒板には穴埋め問題が書かれている。
一通り目を通すと、沙羅はスッと立ち上がった。
長いストレートの髪をなびかせながら、すたすた前に出る。
そして迷いのないチョークの音が教室に響き、問題をすらすらと解いてみせた。
おお~
歓声が上がり、クラスメートは男女問わず白石沙羅に魅力される。
先生は悔しそうに「クソッ優等生め」と呟いた。
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