月夜のダンス

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話を聞くと彼女は若いのに優秀なお医者様らしい。 普段は脳外科が専門でカウンセリングも勉強していて、今回お声がかかったらしい。 「過去の記憶が全くないと伺いました。何か気になることなどありましたら、なんでも相談にのりますからおっしゃって下さい」 あぁ、この頼りになる感じ、やっぱり千鶴に似てるな。 《私がまだ引っ込み思案だった中学1年生の時》 オタクの私が愛用していたアスタリアの消しゴムがコロコロ転がり、前の席の子が拾ってくれた。 その消しゴムを見て「これ!バイオレット・ガーデンのアスタリアだよね」 千鶴もゲームをプレイしていて共通の話題が出来た。 それがきっかけで千鶴と仲良くなった。 そして中1の期末テストの結果があまりにも悪かった時、お母さんに次の期末も悪い結果だったらゲーム禁止と告げられた。 どうしたらいいのか悩んでいると千鶴は「勉強は得意だから教えてあげるよ」任せて! 頼もしい先生のお陰で、成績はめきめき上がっていった。
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