運命は動き出す

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昼休みはクラスメートの千鶴と真凜と教室でお弁当を食べていた。 千鶴は大人っぽくて頼れるタイプ。 真凜は可愛くて人懐っこいキャラ。 3人は仲良しで大抵いつも一緒にいた。 「もう沙羅ったら授業中あんな堂々と寝ちゃうなんて~」 千鶴には大爆笑された。 「うーん昨日も遅くまでゲームやってて…」 「またあの乙女ゲーム?相変わらず好きだね?ゲーム発売されてもう5年たつよね…」 『バイオレット・ガーデン』は小学生の頃からずっとハマッている乙女ゲーム。洋風ファンタジーで、主人公が4人の攻略対象を選んで恋愛するゲーム。アニメ化や舞台化されながら、いまもなお人気ある作品である。 そして私はその作品の攻略者の1人、アスタリア王子推しなの! 強く、凛々しい姿に12歳の頃からとても惹かれていた。 すると千鶴は呆れ顔で言った。 「この間もサッカー部エースに告白されたのに、好きな人がいるって断ったんだって?」 そうなんです。さすがにアスタリアの名は出せないけど…。 「え~イケメンなのにもったいない~。真凜なら絶対付き合うのに~」
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