運命は動き出す

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初めての合コン。 相手は大学生だった。 駅の近くのカラオケボックス。 千鶴と真凜はそれなりに相手に話を合わせていたけど、恋愛経験ゼロの私はこの雰囲気に馴染めなくて、 一人静かにジュースを飲んでいた。 その中の一人がお酒の匂いをさせながら、ピタリと隣に座ってきた。 「沙羅ちゃん大人しくてカワイイね」 ぞわっとして、さりげなく少し離れたが反対側からまた別の男性がピタリと隣に座ってきた。 挟まれてしまった、、、 「沙羅ちゃん趣味は?」 「ゲームと社交ダンスです」 「社交ダンス!?ずいぶんババくさい趣味だね」 グサッ 心臓に何か刺さった。社交ダンスも5年前から、ゲームでアスタリアと主人公のダンスシーンに憧れて始めたんだよね。 「何言ってんだ!社交ダンスなんてかっこいいじゃん」 もう一方の男性はフォローしてくれたかと思うと。 「是非とも俺にも教えて欲しいなー」 とさりげなく沙羅の手を握った。 「嫌ーーっ」 思わず全力で拒否ってしまった。 部屋中に私の声が響き、みんなの注目を浴びた。 いたたまれない。 「ご…ごめんなさい、用事思い出したから先帰るね」 慌てて鞄を掴んで部屋を飛び出した。
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