運命は動き出す

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チュンチュン… 鳥のさえずりで気持ち良く目を覚ました。 「お嬢様!!目が覚めましたか!良かった…」 …え?? 目の前には知らないお婆さんが泣いていた。 周りを見渡すと知らない部屋。 昔のヨーロッパみたいなアンティークな家具が揃っていて、ドラマで見るお城のような豪華な部屋。 「ここはどこ…?」 私はポツリと呟いた。 しばらくすると勢いよく扉が開きゾロゾロと使用人達が入って来た。 「お嬢様、ご無事で良かった…」 そう安堵しているけど外国人ばかりで、知っている人は一人もいない。 不思議と言葉こそ通じているものの、ここが日本とは到底思えない。 暫くしてお医者様もやってきて、私を簡単に往診して名前を確認された。 「自分のお名前は分かりますか?」 「白石沙羅です」 そう名のると、周りの人々はざわめいた。 「リーリエ様…何ということでしょう…」 とお婆さんがまた泣き出した。 リーリエ?それが私の名前? やはりここは日本ではないらしい。
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