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君に会った放課後
雨の放課後、傘をどうして持っていなかったんだろう
朝には晴れていた空も、涙が伝うように大雨になっていた
『このままじゃ帰れないな』
そう、つぶやいた
でも、すぐ止むなんてありえそうな空だった
そう思った私は、走って家まで帰ろうと決めた
走り出したけど、やっぱり雨は気持ち悪い
走るって言っても体力にも限界もあった
バス停まで歩いて、そこで雨宿りをしようと思った
すると、急に声をかけられた
「使いなよ、風邪ひくよ」
顔はほとんど見えていなかった
でも、優しそうな彼は、彼だとはっきり分かった
『ありがとう』
そんな言葉を口にした時にはもう彼はいなかった
たった、5文字の言葉も伝えなれなかった
名前も聞けなかった、
傘はどう返せばいいんだろうか—そんなこと、考える暇すらなかった
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