君の未来に僕は居るの?

5/16
前へ
/188ページ
次へ
健太郎はそう言って肩をすくめる。 子供の頃から親元を離れて暮らしているせいか、あまり上手に親と向き合えなかった。 ロビンと両親の再会は、健太郎にとってもいい機会なのかもしれない。 ロビンの話題やベトナムの思い出とか、両親と話す材料はたくさんある。 気持ちが落ち着いた健太郎は、今度はロビンに目を向けた。 「で、ロビンの話は?」 ロビンは一瞬何の事か分からなかった。 それくらい健太郎の両親に会える事で頭がいっぱいだったから。 ロビンは、今夜は、話す事はやめようと思った。 今はこの温かい気持ちのままで過ごしたい。 ベトナムへ帰る話は、健太郎の気持ちを落ち込ませてしまう。 だから、今日はやめた。 今夜は、大好きな健太郎の家族の話をして楽しみたい。 「私の話は… また今度でいいや。 ケンのお父様達に会える事で胸がいっぱいで、今はどうでもよくなっちゃった。 あ~、でも、私、何を着ていけばいい? だって、十年以上も会ってないから、今の私を見て幻滅したりしないかな」 三日後の日曜日が待ち遠しくてたまらない。 私にとって、唯一家族と呼びたい大切な人達。 そんな大好きな人達が私に会いたいって言ってくれてるなんて…
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

396人が本棚に入れています
本棚に追加