君の未来に僕は居るの?

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その日の朝は快晴だった。 健太郎は、朝の十一時にお邪魔すると母に伝えている。 健太郎の車で実家へ向かっているが、ロビンはソワソワして口数も少なかった。 「ロビン、大丈夫? そんな緊張することないよ」 健太郎はあと五分ほどで到着する事は言わなかった。 言ったところで、ロビンの緊張を高めるだけだから。 閑静な住宅街にある健太郎の実家は、その界隈でも立派なお屋敷だった。 父方の祖父が建てたもので、長男である父が相続した。 でも、健太郎にとってはあまり馴染みがない。 子供の頃は父の仕事のせいで海外での暮らしが多かったし、中学からイギリスの全寮制の学校に入ったため、日本に長く滞在する事は少なかった。 健太郎は家の正面に車を止め、大きな門をセンサーで開ける。 「着いたの?」 ロビンの問いかけに健太郎は微笑んで頷いた。 「ロビンの成長した姿を見せて、ちょっとだけ話をして、そして、帰ろう。 僕もあまり長居はしたくないからさ」 今のロビンは健太郎の話が中々頭の中に入ってこない。 ここへ来て、自分の身の上が恥ずかしくなってきた。 健太郎の両親はとても立派な人達だ。 この目の前に佇む大きな家がそれを物語っている。 もし、二人にベトナムを出た後の嫌な時代の話を聞かれたら、私は正直に真実を話せるのか自信がない。 今日、この場所で、自分が歩んできた人生をこれほどまでに恥ずかしいと思うなんて想像もしていなかった。
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