1.お一人さま

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自習が始まると、隣の席の直哉がちょっと頭をこっちに傾かせて俺に近付いてきた。 「なあ」 「ん?」 「次の室長の座でも、狙ってるのか」 「は?」 「クラスに静粛を求めるのは、室長か目立ちたがりの女子の役割と決まっているだろうが」 鬱陶しい。 「まさか滅多に、というかクラスに注意なんて叫んだことのないおまえが、今日、あんな言動を取ったのは」 「叫んでない」 「海野のためだなんて言い出すんじゃないだろうな?」 「海野のためだ」 「何?」
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