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「面接お疲れさま、どうだった?」
翌日、伊原に面接の手応えを確認すると、彼は珍しく険しい顔をした。
「多分駄目だ」
「え、なんで?」
「暗いって言われたよ。精一杯明るくしてるつもりなのに」
軽く溜息を吐く伊原を見て、なんだか居た堪れない気持ちになった。
「愛想が足りてないだけだよ! 試しに、ニッて笑ってみて?」
「……こうか?」
「うわっ……」
「うわっはやめろよ」
ぎこちない笑顔が可笑しくて笑う私に、伊原は少し不貞腐れた顔をした。なんだかそれが、かわいいと思った。
「うーん、堅苦しい喋り方がダメなのかな……」
「癖だからしょうがないだろ」
「いっそ、伊原でごわす! 一生懸命働くから雇って欲しいでごわす! みたいな口調でいってみなよ」
ふざけた声を出して茶化す私に「お前、アホか!」と伊原が笑った。友達になってから初めて見る、無邪気な笑顔だった。
胸が締め付けられる感覚がした。それが罪悪感か、別の感情かはわからなかった。
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