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5.
エビフライの恨みは恐ろしい。
その日、奈月は初めての無断早退をした。理由は簡単。俺に、エビフライをおごらせるためだ。
アパートの近所にあるファミレスで、奈月はたらふく食べ、満足気にアパートのベッドに倒れこんだ。そしてそれから先、俺がどれだけ誘おうと、指一本触れさせてくれなかった。
「奈月? 奈月ちゃん? 奈月さん? なあ、俺が悪かったって。エビフライおごっただろ、頼むよォ」
「知らない」
「奈月ィ……。俺が勃起したまま悶え死んだらお前のせいだからな」
「ヘンタイ! 触らないで! だいたい何よ、体ならいくらでもあげる、って。ヒドイよ、駿ちゃん」
「リカって子のことなら、なんもねえって。学校でチョコ返すのも悪いかと思ったから、他んところで返しただけだってば。誓って何にもしてません」
だいたい、重要なのはそっちではなくて、「心はあげられない」っていう方だろうが、と俺は言い返す。
「キスしてたでしょ!」
「そんくらいはいいだろ、役得だよ」
「バカ! 悶えすぎてねじれちゃえばいいのよ」
こんな調子だ。結局俺は一睡もできないまま、部屋の床で朝を迎えた。灰皿には煙草の吸殻がてんこ盛り、怒りに任せて潰したビールの缶が、床に散乱していた。
「おはよう、駿ちゃん。学校、行くでしょ?」
俺の悶々、鬱々として気分をよそに、奈月はそんなことをさらりと言いながら起きだした。
「ふざけんな。一睡もしてねえんだ。学校なんか、行くわけねえだろうが」
「ふうん。でも私は行くよ」
言って、奈月は背伸びをした。硬くたっている乳首が朝の光に透けて見えて、小さな奈月の乳房が揺れていた。
ぷちん、と俺の中の何かが切れ、俺は胸にしゃぶりつくようにして、押し倒した。着ているTシャツをまくりあげ、桜色の硬い突起を舌で転がす。柔らかなふくらみを手の中におさめ、やや乱暴に揉んだ。
「あっ……だめだよぉ。学校……遅れちゃう」
「なら、行くな。休めばいい」
「皆勤賞なのにぃ」
お前が悪いんだぞ、という言葉を飲み込んで、俺は自分の服を脱ぎ捨てた。抵抗する奈月の服も、やはり乱暴に脱がしてしまう。なめらかな肌や体のパーツを眺めている余裕は、今日の俺には全くなかった。
痛いくらいに張り詰めた俺自身を、奈月の赤く熟れた割れ目にあてがう。すでに潤んでいたそこは、俺の先端が愛撫していくに連れて、たっぷりと蜜を滴らし始めた。
もう彼女の抵抗の声も聞こえてこない。代わりに、欲しがって鳴く甘い吐息が俺の耳を打つ。
「駿ちゃぁん」
「欲しいのか」
「ん……。ちょうだい。はやくぅ」
眉をひそめて快感に耐えながら、上下の唇を開いて俺を求めているこの「女」が、カンペキ超人みたいな生徒会長様と同じとは思えなかった。
俺はゆっくりと、彼女の中へ屹立しているモノを沈めていきながら、にやりと口を歪ませた。
こいつのこんないやらしい顔や、淫らな体や、熱い中を、知っているのは俺だけだ。一番奥へたどり着くと、奈月はため息をもらし、うっとりと目を細めた。どうだ、この顔を見られるのは俺だけだ、という優越感と満足感に、俺は酔いしれる。
やがて彼女は俺の名前を呼んで、もっともっとと俺を抱きしめてきた。その求めに俺は応じて、ふたりで感じあって、一緒に果てた。
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