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「でも、ねえ、先生、僕、まだ先生の生徒ですよね? 生徒でいる限りは、教えてくれますよね?」
「……え?」
おっと。
そちらの方向から攻めて来たか。これは釘を刺しておかないと。
「いえ、結婚式でセテンブロの弾き語りを披露する、っていうあなたのミッションは、終わったはずでしょ?」
「でも、僕、ピアノの楽しさに目覚めてしまったみたいです。だから、もっとピアノ習いたいんですよね~。もちろん月謝は払いますから、これからも先生にピアノを教えて欲しいんですけど~」
「……」
やられた。
そんな風に言われると、こちらも断りづらくなってしまう。
「……先生と生徒の間をはみ出さない、と誓ってもらうなら、結構です」
言ってしまった。
「やった!」宮内さんが子供のような笑みを浮かべ、頭を下げる。「それじゃ、今後ともよろしくお願いしまーす!」
……。
やれやれ。ま、こんなところかな。
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