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まあ、彼も年齢的にはそういう年なのかもしれないけど。
それに。
確かに私も祐介さんと離婚したら、この人と結婚するってことも……できなくはない。しかも祐介さんの浮気で、そのシナリオはかなり現実性が高くなっている。だけど……
「……ごめんなさい」
私は小さく頭を下げた。
「くぁ―! やっぱダメかぁ!」宮内さんがへなへなと崩れ落ちる。「いやぁ、俊通の結婚式に行って、僕も結婚したいなあ、とつくづく思わされましてねぇ……」
俊通というのは、この前結婚式を挙げた、彼の親友のことらしい。
「男の方って、やっぱり胸の大きい女性が好きなんでしょう? 私みたいな洗濯板なんかじゃ、満足できないのではないかしら?」
自分でもコンプレックス丸出しの僻みっぽい言い方だな、と思う。が……最近、嫌でもそれに直面せざるを得ない状況に陥ったのだ。そうなるのは致し方ない。
ところが。
「あのですね、先生」宮内さんが私に詰め寄ってくる。「世の男のみんなが皆巨乳好きだって思わないでください。僕は先生くらいのサイズが一番好きなんです」
……あら。
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