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「ありがと、松田さん」私は気を取り直したように笑顔を作る。「さすが、評判通りのお仕事ぶりね。写真も鮮明だし、これで証拠は十分揃ったから、あとは弁護士に任せましょう。報酬の残金は明日にでも振り込みます。ご苦労様でした」 「はい。くれぐれも、お気を落とさずに」  松田さんがソファから立ち上がり、歩き出そうとして……すぐに足を止める。 「ああ、そうそう、忘れてました」 「え?」  彼はカバンから、A4の書類の入った封筒を取り出した。 「これは本件とは直接関係ないのですが、よろしければご参考までに」 ---
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