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コルティの意識が暗闇へと沈んでいく。
「お前は知らぬだろうが………初めから余と共に行動した時は、お前達がここまで短期間で強くなることはなかった」
大魔王は、コルティを抱きかかえ、宿舎へと足を向ける。
「この時代の余であれば、ベンチに置いたまま無視していくのだろうが………成程、二百年分の知識と経験というのも、存外悪くないものだ」
大魔王は、コルティと共に宿舎に入ると、近くにあったソファーへと静かに置く。
「あの鳥娘に気付かれても面倒だ………ここで許すが良い」
大魔王はコルティの顔を見ると、自嘲し踵を返す。
「あの時は、剣に魂を封じて長命を得るしか方法がなかったが。喜ぶが良い………今回は、お前達が生きていられる間に、目的が達成できるであろう」
大魔王はそう呟くと、扉を開けることなく、闇の中へと消えていった。
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