奇跡は起こるのか?

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「……だって、私しかいないし、昨日病院でよく眠れる薬もらって、だから多めに飲ませれば今日は大丈夫かなって……、起きてたらどうしよう? 最近おかしくて、でもおむつは嫌だって。だけど保健センターの人はつけさせなさいって、だけどっ」  震えるあかりの体を、みゆきがぎゅっと抱きしめる。 「もういいわ。これからは私が守ってあげる。昨日って学校は? 保健センター? ふざけたこと言ってんじゃないわよ!」  こういうところが、先進国と言われていても日本は未熟と言われる部分なのだろう。アレックスはそう思いながら、少し気になった。 「あかりちゃん、お婆さんにどれくらいお薬飲ませたのかな?」  その真意に気が付いたのか、みゆきもハッとしてあかりの両肩を掴んで彼女の顔を覗き込んだ。
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