初めての神戸

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「無理、かな……」  自分がどれだけ無謀なことをしているのかは、分かっていたつもりだった。 「君、さっきから見てるけど迷子かな?」  声をかけてきた大人に、彼女はびくっと体を震わせた。 「だ、大丈夫ですっ」  振り返ると、大人がいた。別段怪しさは感じない、普通の男の大人。身なりも普通なら、話し方も普通、イケメンでもなんでもなく、何もかもが普通でまた出会っても思い出せないほどの平凡さだ。
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