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また聞こえてくる声に、彼女は反対側を見るとそこには絶対に忘れられないような外国人が立っていた。後ろに見える異人館を背景に彼を写真に写せば、まさに映えるしエモいと誰もが考えるだろう。
「モーガン、何を言ってるんだ。俺は本当に親切でだな」
「先月、三ノ宮からこのあたりで行方不明になった未成年者が3人。報告を受けてるよ」
モーガンと呼ばれた外国人が流ちょうな日本語でそう言うと、男は「はっ」と呆れたように笑う。
「それを俺たちがしたって? 待て待て、そんなことするわけないだろ?」
「東京は監視が強くなってるからシマを移したって聞いたけど、こことはね」
モーガンの言葉に、男は顔色を変え小さく舌打ちをした。
「違うっつってんだろ!」
「あっ」
そう叫ぶと、彼女を道路に突き飛ばし走り始めた。彼女はその力に抗うことも出来ず、っ向かってくるトラックにぶつかるーー。
パァーーンッ!
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