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「ったく、女の子にこんなことするなんて、ねぇ?」
死んだ、と思ったのに目を開けば、あのイケメン外国人の顔が、彼女の真上にあった。
「大丈夫?」
「ーーあ、はい、す、すみませんっ」
慌てて彼の腕の中から逃れれば、彼は不思議そうな顔をして彼女を見た。
「どうして謝るの?」
「すみません……」
「君は」
「ーーっ」
伸ばされる手に、びくっと身を縮めれば、彼はその手で彼女の髪を優しくすいてくれる。
「……あの?」
「髪、ほどけちゃったね」
「あ」と自分の髪を触れば、さっきの衝撃でゴムが切れたのか、結んでいたはずの髪がほどけていた。
「ごめんね、そうだなぁ、うん! 新しい髪留めを買ってあげよう!」
「え……? えぇ!? そんなっ、いいです! そんなのっ」
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