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「あ、そうか。これじゃさっきの誘拐犯と変わらないね。うん、僕はアレックス・モーガン、フランス人です。君は?」
「え? あ……、私、緋村、あかり、です……」
大丈夫なんだろうか? そう思いはしたが、多分、彼は悪い人ではない、あかりはそう思ったのだ。
「あかりちゃん? いい名前だね」
褒められることは本当になくて、こんな言葉一つで気持ちが軽くなるように感じてしまう。
「それじゃどんなのがいいかな? 好きなモチーフとか」
「いいです。私、やることがあるので」
「観光、じゃないの?」
アレックスの言葉に彼女はコクリと頷く。
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