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本当に聞いてみたいものだ。
ハナお祖母ちゃんとあの、見たことが無いお祖父ちゃんと言う人に。
人を好きになると、やっぱりのめり込んでしまうのかな。
それが例え禁断だとしても。
ま、なんにせよ、この選択を取ったのだから、今更戻れない。
赤色の液体が入った入れ物を手に取り、食器棚へ歩いていき棚を開けてグラスを取る。
テーブルに置き音を鳴らしながら、グラスへと注いでいく。
吸血鬼なら、牙があって直接獲物を定めると、そこから飲めるのよね。
あれって、はっきりいって痛い。
あの男以外にも、吸血鬼やら、いろんな種族がいるらしいけど、どうやって獲物を定めているのかしら。
好みなのかな、と思いつつ。
そう考える自分は、やっぱり人間じゃないんだなと思ってしまった。
身体の中にある、人間とは明らかに違う別の血。
それがある限り本能かもしれない。
気が強くないと生きていけないかもしれないしね。
普通の精神状態じゃないだろう。
なんて思っていると、明らかに違う生臭いニオイが鼻を掠めた。
それだけでも、心が悦び嬉しくなる。
舌なめずりさえしたくなる程の欲望に、思わず苦笑いをしてしまう。
「…………いただきます。」
一口入れるだけでわかる、血の味。
金属を齧った事が無いけれど、例えるならそれに近い。
女の子ならわかるかもしれないが、月ものの日になると苦手になる、あのニオイが鼻を掠めるけど、それさえ気にならなくなるのは、砂糖よりも甘くて蕩けてしまうんだ。
麻薬に近いかもしれないけど、口に入れてしまえば魅了されて止まらなくなる。
あの世界の人達が襲うのは、きっと虜になってしまうのを求めているのかもしれない。
私だって飲んでいるものね。
躊躇いもなく美味しいと感じてしまうんだ。
これが、やっぱり人間じゃないと言われている。
あの男から散々言われている。
悔しいけどね。
さて、おかわりをしたいけど、時間がない。
グラスを持ち、流し台へ歩いていき、ちゃんと洗い流して側にある籠へ入れた。
さて、行きますか。
日曜日だから、さすがに井戸端会議はしていないわよね。
どう見ても家庭持ちの人達ばかりだから。
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