あの男との勉強会

1/20
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ

あの男との勉強会

♪♪♪~~~~♪♪♪~~~♪♪♪ 携帯のアラームが部屋中に鳴り響く。 「うーん、眠い。お母さん、まだ寝かせて~。」 手探りながら携帯をおもむろに探す。 何回か空中で空回りし、やがて探しあてたかのように携帯電話を掴んだ。 「お母さんってば!!」 寝ぼけ眼で目を開けた私は、はっと現実に戻る。 そっか、お母さんはもういないんだった。 鳴り響く携帯を掴んだまま、覚束ない頭で辺りを見渡した。 あれ? いつの間に部屋へ帰って来たんだろう。 確か、昨日は学校にいて、中川さんとあの男が英語準備室にいたまでは覚えている。 しかし、その後の記憶が無い。 まさか…………。 「お母さんねぇ。」 やけに声が近くから聞こえてくる。 え? 恐る恐る、声のする方向へ視線を向けてみると、あの男が椅子に座っている。 「……………き、き、きゃーーーーー!!」 思わず布団を首まで被る。 「あのな、表向き、俺はお姉さんとして契約しているんだ。叫ばれたら困るんだが。」 はぁとわざとらしい溜息をつき首を振っている。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!