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あの男との勉強会
♪♪♪~~~~♪♪♪~~~♪♪♪
携帯のアラームが部屋中に鳴り響く。
「うーん、眠い。お母さん、まだ寝かせて~。」
手探りながら携帯をおもむろに探す。
何回か空中で空回りし、やがて探しあてたかのように携帯電話を掴んだ。
「お母さんってば!!」
寝ぼけ眼で目を開けた私は、はっと現実に戻る。
そっか、お母さんはもういないんだった。
鳴り響く携帯を掴んだまま、覚束ない頭で辺りを見渡した。
あれ?
いつの間に部屋へ帰って来たんだろう。
確か、昨日は学校にいて、中川さんとあの男が英語準備室にいたまでは覚えている。
しかし、その後の記憶が無い。
まさか…………。
「お母さんねぇ。」
やけに声が近くから聞こえてくる。
え?
恐る恐る、声のする方向へ視線を向けてみると、あの男が椅子に座っている。
「……………き、き、きゃーーーーー!!」
思わず布団を首まで被る。
「あのな、表向き、俺はお姉さんとして契約しているんだ。叫ばれたら困るんだが。」
はぁとわざとらしい溜息をつき首を振っている。
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