朝ぼらけ

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朝ぼらけ

 反転した世界には、試験電波が流れている。  寝転んで何時間が経過したのか、今の私には知る由もない。テレビ画面を占めるカラーバーは絶え間無く暗闇を照らしていた。 ──今夜は眠れそうにないな。  身体の向きを変えると、綿麻が擦れ合い金魚が浴衣の中を泳ぎ始める。僅かに残っていた夜の香りが鼻を掠め、1つ溜息を吐いた。  運命は時に残酷だ。  頬に乾いた涙の筋をなぞりながら、私は繰り返しあの光景を思い浮かべていた。 ────────── ─────
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