休むのも仕事

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レナの部屋に入ったカイは、座る場所が椅子一脚のみだけなのを確認してベッドの上に腰かけた。部屋で立ったままのレナを見つめる。 「ひとりでは眠れないのか?」 これまでずっと同じテントで一緒に過ごしていたことで、レナが孤独な環境で眠れなくなっているのだろうとカイには察しがつく。 「そうね、独りは寂しいわ」 レナはそう言ってベッドに腰かけるカイの隣に座ると、カイを暫く見つめた。 「隣に2人がいるからな……」 そう言ってカイが軽めのキスをすると、レナはカイが何を気にしているのか理解できずにきょとんとする。 「一緒に寝てやりたいが、そんなことをしたら2人の心障がよくないだろ。ロキはレナを好いているし、シンは家族と離れてここに来ている」 「そうね、あなたばかり……って思われるのは良くないわね」 「すまないな、俺も、一緒にいたいが……」 レナはカイの腕にしがみつくと、そのまま手を滑らせて指を絡めた。 「……こんなことになって、みんなを巻き込んでしまったけど、あなたと一緒になる未来のためにルイス様に会わなきゃって思ったの」 レナがポツリと呟いた内容に、カイは不可解な顔をした。 「わざわざ婚約解消でも伝えに行くのか?」 「ルイス様にルリアーナを託してしまったのは私だから……。カイがブリステのために戦場に出なければならなくなったのも、全部が繋がっているの。私の責任よ。人の血が流れてしまった」 「そんな責任はない。第一、レナを殺そうとした国王が発端だろう」 カイはレナと目を合わせず、まっすぐ前を向いたままどこか冷たい口調で言い切った。レナが責任を感じるなど、到底納得できるものではない。 そもそも暗殺されかけて国まで追われた身で、充分すぎるくらいにレナは失った。 無事に生きていられたから良かったものの、何かの犯罪に巻き込まれていてもおかしくはなかったのだ。 「ルリアーナをルイス王子に託していなかったとして、国王に侵略されていたらルリアーナはもっと酷い統治に遭っていたに違いない。レナは犠牲を減らしている」 「でも……」
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