未来の約束

3/4
前へ
/579ページ
次へ
「だからといって、そんな風にされたら誤解をする」 「誤解?」 「この夜が、最後になる予感がして不吉だ。無事に全てを終わらせたら、約束通り……一緒になろう」 レナは無言で頷くとカイの胸の上で泣いた。 「私……ルイス様の前に姿を現しても、あなたと一緒になれる?」 「それは最初に懸念したが、もう割り切ったんだ。こうなったら一緒になれるまで、共にいよう」 レナは泣きながら頷いた。その背中をカイが撫でる。 「あと……さっきのは本当にまずかった。もう二度としないでくれ」 「どうして?」 「これでも日頃、耐えているんだ。努力が水の泡になりかねない」 カイがそういうと、レナは「そんな努力は要らないのに」と言って膨れていた。 「レナに真意が伝わっていないようだから、この際ハッキリ伝えておこう……。この先、何があっても俺はレナを伴侶にしたい。そうなった時には、恐らく跡継ぎがどうだとか、子を成さねばならない事情が出て来る」 「まあ、そうでしょうね」 「その時にいくらでもできることは置いておこう。今はレナと二人きりでいたい。それに、軽はずみな行為で子が出来でもしたら、何の罪もない子どもを血統の問題に巻き込んでしまう。それは嫌だ」 カイは何とか起き上がり、レナの頬に触れた。不思議そうな顔がカイを見ていた。
/579ページ

最初のコメントを投稿しよう!

154人が本棚に入れています
本棚に追加