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拠点
「さて、いくつか情報が集まって来てるから共有するよ」
それなりに大きな規模の町に4人はいた。ロキの会社が経営する宿に泊まることになり、一旦全員で今後どうするかの話をし始める。
「ルイス王子だけど、側室の家系が大きな軍隊を動かしているらしくて、国王を追い詰めているみたいだね。もうすぐ国王を落とせるだろうと踏んで、近々ルイス王子が動くって言われているらしい」
「動くって……ルリアーナからポテンシア国王のところに?」
「そう。下手にルリアーナに向かうと行き違いになるかも」
ロキの情報に、レナは難しい顔をした。動かずにただ待ち続けても仕方がない気がしたのだ。
「どうしようかねえ。ここにいれば、それなりに新しい情報が逐一入るようにはしてるけど、ルリアーナの情報網はまだまだ弱いからさ」
「なるほどな。動くか、ここに留まるか、か」
カイがロキの言葉に納得するように言う。カイは自分の力がまだ戻り切っていないのも不安材料のひとつだ。
「ルイス王子の軍はどの位の数が出てる?」
「10万くらいじゃないかってさ」
ロキとカイが話している内容に、レナはひたすら目を丸くしていた。
「10万も兵が出ているの?」
「ポテンシアの軍事力を考えれば妥当だろう」
「そんな中を、4人でどうやって進むの?」
「そんな中を進むわけがないだろう」
カイが当然のように言うが、レナは訳が分からないでいる。戦争を知らないため全く想像がつかない。
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