休むのも仕事

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休むのも仕事

その日、そろそろ休もうと3人部屋と1人部屋に分かれると、レナは1人で時間を持て余した。 とても眠れそうにないと思い立って部屋の扉を開ける。すぐそこで、宿の従業員が立ち尽くしていた。 「いかがされましたか?」 「い、いえ……隣の部屋を訪ねようと思って……」 レナがそう言いながら隣の部屋に向かおうとすると、立っていたその従業員がさっと歩いて部屋の扉をノックした。 「どうしたー?」 中からロキの声がすると、 「社長、レナ様です」 と従業員が扉のところで声を上げる。 部屋の中から急いで人が駆け付けるバタバタとした慌ただしい足音がした。 「どうしたの?」「いや、レナが呼んでいるのはお前じゃない」 扉の向こうに2人の男性が立っているのを目に入れて、レナは「えっと……」と気まずそうに戸惑っていた。
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