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繋いだ手から、レナの身体が緊張したのが分かった。
カイは合わせていなかった視線をレナに移し、思いつめたような顔を見つめる。
「それ以上自分を責めるようなことを言うなら、もう話はやめだ」
カイはそう言うと手を解き、真剣な目でレナに語りかける。
「そんな話を聞く気はない。もう部屋に戻る」
「待って、そんな……」
解かれた手を慌てて伸ばしてレナはカイを引き留めようと服にしがみついた。
「もう言わない、から……行かないで」
カイは必死なレナの頭をぐしゃぐしゃと撫で、ボサボサになった髪に思わず吹き出す。
「後悔はしないんじゃなかったのか? この先もそんなだと、不安だな」
カイはレナの髪を手で梳いた。青い目が少し潤みながらカイを見つめていたが、その目がそっと閉じられる。
「休む時は、ゆっくり休むのも仕事だ」
カイはレナに口付けて、その小さな身体をさするようにしながら抱きしめて言った。
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