1.おばあちゃん、ひらめく

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「ご興味あれば、はるちゃんが説明します。」 「え?私?」 指名されて驚くと、祖母が当然のように頷く。 「はるちゃんが話すと、物語みたいで面白いわ。」 「でも・・・。」 私が躊躇していると、八代さんが遠慮がちに 「興味はありますが、プライベートなお話しになりそうですよね?伺っていいんでしょうか。」 と聞く。私はつい、八代さんを見つめてしまう。祖母が私と八代さんを見て微笑む。 「そんな気遣いをしてくださる八代さんだから、お話ししてもいいと思うのよ。」 確かに、と心の中で呟いて、私はわざとらしく手を胸にあてる。 「それでは、僭越ながら孫の私が、クッキーを食べながらお話しします。」 三人で席につき、私は話し始める。 「祖母はご覧の通り美人で、子供の頃から噂され、声をかけられ、それはそれは大変だったそうです。芸能界からのお誘いもありましたが、全部断っていました。」 八代さんが祖母を見る。 「どうしてですか?」 「目立ってもいいことないでしょう?」 そういうものですか、と八代さんが呟く。
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