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「17歳になったある日、ある画家がモデルになってほしいと言ってきました。7つ年上のその人は、祖母にはとても大人びて見えたそうです。さらに、その画家は、日本人らしからぬ彫の深い顔立ちと白い肌をしていて、その美しさに祖母は見とれました。断るつもりでいたのに、もう一度会いたいという下心から『絵を見せていただいてから考えます。』と言ってしまったそうです。」
祖母がクフフっと笑って、「下心ですって。」と八代さんに言う。
あなたのことでしょ、と心の中で突っ込んでいると、八代さんがとろけそうな顔で祖母を見て、微笑み返す。
おーおー、デレデレしちゃって。と私はニヤつく。
「翌日、画家が自分の絵を持って祖母のところにやってきました。それはとても美しい風景画でした。
『この中に、君を閉じ込めたい。』
画家の口説き文句に、初心な祖母はイチコロで落ちてしまいました。」
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