キラの大すきな…

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その時です。 バンッ!と勢いよくドアが開きました。 「キラ!!」 キラがびっくりしてドアの方を見ると、おかあさんが立っているではありませんか。 「…あ…! おかあさんっ!」 キラはおかあさんに飛びつきました。 キラのだいすきな、おかあさんの優しい匂いがしました。 「キラ!ごめんね。ひとりで、えらかったね……」 「おかあさん、もうどこにも行かないで!」 キラは、えんえん泣いています。 それから、キラはハッと気づきました。 「おかあさん、大にいちゃんと小にいちゃんがいなくなっちゃった!」 キラが言うと、おかあさんが、 「ほら、ここにいるわよ」 と言うと、ドアの隙間から大にいちゃんと小にいちゃんが顔を出しました。 「にいちゃん!」 キラはまた、にいちゃんたちに飛びつきました。 おかあさんはあの日、買い物の途中で倒れて、病院にはこばれていました。 今日、目が覚めたそうです。 大にいちゃんは、まいごになって歩いているところをおかあさんが見つけました。 小にいちゃんは家の前で泣いていたそうです。 「おまえたち、本当にごめんね。無事でよかった……」 おかあさんは泣いていました。 大にいちゃんはいいました。 「おかあさんは仕事がいそがしいから、ぼくたちみんなで手伝おう。おかあさんがまた病院にはこばれないように」 「うん、そうしよう!」 小にいちゃんも言いました。 「ぼくも、がんばる」 キラも言いました。  それから、四匹でなかよくチーズやさんをつづけました。愛らしい子供たちのエプロン姿を目当てに、お客さんが増えてきました。 食べ物に困ることもなくなり、4匹は楽しく暮らしています。キラも、おかあさんといつも一緒で幸せそうです。 おしまい
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