第二の人生……とは

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  「ずるいって、責めろや」 「は?」 「責めてくれや。あたしというものがありながらよくも、って」 「そんな立場じゃないよ」 「……寂しいこと言うなや」  はるやは一瞬あたしに手を伸ばしかけて、やめた。 「いまさら、信じてもらおうなんて思ってないけど……おれ、ちーちゃんのこと、好きや」 「は……?」 「ちーちゃんが好きやから、シバたちの件については道化でいようと思ってた。……けど昨夜、あの人が泣いてるの見たらどうしても止まらんかった。おれ、自分はもっとそういう自制の利く男やと思っててんけど。情けない話やで」  まくしたてるように言うはるやに、いつもの余裕はないようだった。 「はるやは、あたしになにを求めてるの……?」 「わからん……ただ、責めて詰ってめちゃくちゃにして欲しい」 「バカじゃないの……?」 「でも、捨てられんのはいやや。どうしていいかわからん」  もっと言うべきことも、するべきこともあったんだろうと思う。  だけどあたしはやっぱりいつもどおり愚かで。  好きだと言われたことが嬉しくて、この哀れな男を見捨てる気持ちにはなれなかったのだ。 .
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