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外を歩くと、温かい空気とともにあちこちから甘くさわやかな香りが漂ってきて、いやでも季節の変わり目を感じるようになってきた。
以前はそんなことを感じたりはしなかったので、その変化に気づいた自分に驚いた。
新しい感覚に気分が上がるようなアマチュアな部分はすっかりすり切れてしまいそうで、歳を取ったもんだなと乾いた気持ちのほうが少し重い。
大人になってからの明らかな変化というのはもはや楽しい刺激などではなく、大きな負担になっていくのかも知れない。
そんなことを考え始めたころ、定期的に会っていたはるやの横顔が急に遠い人のそれになった。
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