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「……めっちゃいいオンナに会った。どうしよう」
あたしの隣で、まだ下着もつけていないというのに、悪びれもせずはるやはそう言い放った。夜明け前に急に訪ねてきたのは、高ぶって仕方なかったかららしい。
ほかの女で高まった欲望をぶつけられたことに別に腹は立たなかったが、それを正直に口にするのはどうなんだ。
たしかにあたしたちは恋愛関係というわけではないけれど。
「古い友達に急に呼び出されて──なんやと思たら、今日初めて会うたオンナ、恋愛経験なさ過ぎて話にならんから、恋愛ごっこせえって。オンナのほうがまんざらでもなかったらどこまででもなんでもしてええって言われて……」
「どういうこと?」
ちょっとムッとして機嫌でも取ってもらおうとしたのに、はるやは次から次へと気になる話を口にする。思わず乗ってしまった。
「……そいつ、出張ホスト時代の仲間で。互いに手に負えん客が来たときには、ようフォローし合ってて」
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