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「それにしても、詳しすぎない？」
「他人から広まるのもありますし、何よりあの人、自分で武勇伝ばりに語りますから」
「武勇伝……ありそう」
思わず苦笑した。
はるやは間違いなく善人の部類に入る人物だと思うが、たしかにそういう感心できないところもありそうだ。調子のいい男にもれなくついてくる習性のような。
それが回りまわって、どこかで自分の肝心な評価を落とすかも知れないってことは、考えたりしないのだろうか。
いままで考えたこともないことに思いを巡らせてから、その場にしゃがみ込んだ。
「長倉先輩？」
「バカバカしい。なんであんな人に振り回されなきゃいけないんだろ」
抑えた声で、ポツンとこぼす。夏菜子がハッと息を飲むのが頭の上で聞こえた。
「恋なら仕方ないんじゃないですか……」
「冗談でしょ……いいかげん疲れたんだけど」
「それは、私に言われても」
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