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「なんか、矛盾したこと言ってない？」
「自分に都合の悪いことは、平気で見ないようにする人だってことです」
夏菜子はゆっくり立ち上がり、本棚のすきまに本を戻しながらシニカルに微笑んだ。
「長倉先輩が楽しそうなのはいいんです。でも別に応援はしてないですよ」
「夏菜子、どういうこと」
微笑む口元を真一文字に結び、夏菜子はあたしを立たせた。あまりにもスマートなその行動は、エスコートしてくれる男性のようでかっこいい。
だから、彼女の言葉とともにこの状況にも少し混乱した。
「──レーヤさんは、少し痛い目を見たほうがいいんです」
ますます、わからなくなった。
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