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考えながらだんだん眉間に力が入ってくるのが自分でもわかって、ため息とともに目を閉じデスクにもたれる。
目を閉じる前、ゼロがひとつ少なくなっている項目が目に入っていた。目を開けたら直さなくては。
「ただでさえでっかいおっぱいがさらに目立ってるよ。さわって欲しいの?」
呼吸を整えていると、正面上からうざい声が落ちてきて思わず舌打ちが出た。
「セクハラとモラハラとパワハラで訴えるわよ」
もう少し休憩したかったのに、人の相手を──とくにこいつの相手をするのが億劫で目だけ開けてにらみつける。
「おお、こわ。いやさ、うちの後輩が資料ひとつ忘れたって言うから、僕が届けに」
「自分で持ってこさせなさいよ」
「僕もねえ、そう言ったんだけど。長倉に叱られるのがいやだって」
「今日締めの作業なんだから、間に合えば怒らないのに」
「叱られるイメージなんだよ。まあ、後輩から持っててもらってもかまわないイメージじゃない」
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