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胡桃花音も胡桃花音だ。はるやはこうしてあたしのところに愚痴りに来るほど、彼女の担当であるシバさんとやらに遠慮しているというのに、どうしてどちらの男も手の上に乗せてぼんやりしているんだ。恋愛訓練ならシバさんとだけやって欲しい。そうしたら余ったはるやはありがたくあたしが……。
そこまで考えて、自己嫌悪が襲ってきた。はるやも胡桃花音もシバさんも、モノなんかじゃないのに。だけど、会ったこともない人たちの気持ちを考える余裕なんてあるわけない。
「それは知ってる。だからこそダメな発言は取り締まるの。なんでも許されると勘違いするところから、堕落は始まるんだからね」
はるやにチクチクとなにか痛みを与えたくて、考えたこともないようなことがすらすらと口からこぼれ出た。
「ふぇい。ごめんなさい。……てかちーちゃん、いつからおれのオカンになったの……?」
「え。こんな大きな子どもいないんだけど」
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