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「それは、その。あたしの気が済んだからで……」
「そう、それ。気が済んだら終わりなんや。恋なんてナマモノは」
はるやは真剣な顔であたしの胸を両手で下から掴み上げた。
「んんっ、急になに……」
「おれは、ちーちゃんとはずっとこのままいっしょにおりたい。恋なんて小さい箱に入れて、いつか捨てるのはごめんや……」
「はるや、ちょっと……あっ、あ……」
はるやはそのままあたしの服をたくし上げ、ブラごとやわく胸に噛みついてきた。
「やだ……待って、わかんない……はるやの言ってること」
「わからんでいい。でもおれの正直な気持ち」
それは──。
……それは、胡桃花音よりあたしがいい、そう言ってくれているのだろうか。もしそうなら、めちゃくちゃ嬉しいのに。
でもあたしは、はるやが彼女を語るときの熱っぽい声を知っている。熱っぽい目も。
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