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「私はいやだな。酔っぱらった流れでコトに及ぶのは」
先日の情事の話をすると、杏はため息交じりに返してきた。彼女がそういった堅苦しげな反応をするのはわかっていたが、その感想が欲しくて話したところはある。
「でも、お酒入ってるといつもよりちょっと気持ちいいから」
「それくらい知ってるけど。私はそうするなら最初からプランニングしていたい。今日はアルコールセックスの日、って感じで」
「ああ、なるほど……」
言われてみればあたしもそうだったかも知れない。はるやが「ほんの1杯」とスパイス焼酎を示したときに、酔った流れのまま寝ることはわかっていたわけだし。
とはいえ杏とそこまですり合わせる必要はなかった。彼女はあたしの男ではない。
「杏、桃さまとそんな感じなんだ」
「まあ……彼のプランニング癖に引きずられてるところはあるかも知れないけど」
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