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「ちーちゃん、おもろい人やな。かわええ」
迂闊な自分を恥じる間もなく、レーヤさんはケラケラと笑う。
「自覚ないみたいやけどちーちゃん、傷つきすぎてなんか感覚おかしなってない?」
「いま思った……33歳にもなって、自分の身も守れない女だったとは……」
「へえ、じゃあおれの5歳上や」
「5歳も年下だったのか……」
「15歳とハタチやあるまいし、そんな変わらんよ」
「変わるわよ! ただでさえ女のほうが精神年齢は上になってくんだから!」
「でもちーちゃん、話してると24・5歳くらいにしか見えへん」
「ぐおお……」
親友の木枯杏からもよく指摘される欠点だった。仕事以外では学生時代のままだから、坂田のこと込みでもっとしっかりしろと。
グラスを空にし、レーヤさん……いや、レーヤは好奇心いっぱいの琥珀色の瞳を輝かせた。
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