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レーヤが連れてきてくれたのは、中野駅をはさんで反対側にある町の一角に構えた焼き鳥屋さんだ。
ここの焼き鳥丼は、どんぶりに入ったごはんの上に千切りキャベツ、タレのしたたる焼き鳥をあおり置いてから櫛を抜き、その上に刻んだ大葉を置いてくれていた。キャベツと焼き鳥まではよくあるが、塩味でもないのに大葉を乗せるというのはあまり見ない。
そのちょっとした丁寧さに、お腹がぎゅるると音を立てた。こんなにおいしいものはあたたかいうちに食べないと損だ。
「あああ、体が満たされていく……幸せ」
がっつかないように、でもお箸が止まらなくてどんどん口に運ぶあたしを見、レーヤは笑った。
「おいしそうに食べる人やなあ。もっとええとこ連れていけばよかった」
「ううん。今日は、いまはこれがいい。これじゃなきゃだめだった」
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