はじまりはいつも恋

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  「次の合コン、決まりました?」 「ううん。違うコネで集まってるはずなのに、続けて3回同じ顔に3回会うっていう現象が起き始めた。東京には1397万人もいるはずなのに、狭いのかな」 「……やっぱり合コンで集まる人種って、そういう感じになるんですね」  夏菜子の合コン嫌いは知っているが、出会いを求めてやまない人間相手に毎回きっちりけなしてくる神経の太さには、疑問を抱く。 「バーでのナンパ待ちも、つまんないのしかいないしなあ。どうやったら良縁って出てくるんだろう」  お湯を沸かすだけでぼんやり立ち尽くすあたしの隣で、夏菜子はインスタントコーヒーの粉をカップに入れてくれる。あたしのお気に入りのブレンドは、安いわりにいい香りをさせるのだ。 「だから、毎回言ってるじゃないですか。人間だれしも、自分と同じようなランクの人間としかつき合わなくなるんです」 「あんたねえ、それってあたしのランクが低いって言ってるの?」 .
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