お姫様になった日

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「そっちは?」 「うぅん!いない!」 「俺、あっち探すわ!」 どたばたと足音が聞こえる。 そんな足音と人の声に"私"は怯えていた。 「ひっ…。」 足音や声はその人たちだけのものじゃない。 むしろ今日は、文化祭という特別な学校行事で外部からの出入りもある。 それなのに…。 こんな時に限ってやけにはっきりと聞こえてしまう。 どうしてこんなことになったのだろう。 楽しい日になるはずなのにこんな空き教室に隠れてやり過ごしているのだろう。 原因はもちろん分かってる。 私、にある。 「なぁ…楽しみだよな。」 「なんでも今年は例年以上って噂だぜ?大変身も見られるらしい。」 そんな他愛もない生徒か外部のお客さんかも分からない声に、私は怯えるしかなかった。 怖い…。 でも今の私に出来るのは、こうして逃げて身を隠すことくらいだ。 「うぅ…。」 分かってる。 私が出ていかなかったら…学校の皆に迷惑がかかる。 それでクラスの皆には…明日から陰口とか色々言われてしまうだろう。
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