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「でも笑ったら可愛いだろうなぁとは思ってたかな。いやぁさすがは私!やっぱり可愛かったね!」
「えっと…。」
可愛い可愛いと言われて一杯一杯になる。
そんなこと…生まれて初めて言われたから。
むしろ中学までは真逆のことを言われて、虐められたことすらある。
だから進学校で中学の誰も入れないような学校に頑張って入ったのだけれど。
結局、中学の時のまま。
友達もあまり出来ず、俯くしか出来なかったけれども。
「あ、そうだ。」
そんな自己否定に浸っていた私に向かって、何か閃いたと思いきや。
「ここでサボるのもいいけど、私と遊ぼうよ!」
「え?」
「だって今日は文化祭だよ?せっかくの祭りだよ!そんな日に籠ってたらもったいないよ!」
何を思ってそんなこと…。
私なんかと遊ぶなんて…。
「私なんか…。」
「それはまだ遊んでないから分からないし、なんなら私が君を全力で楽しませてあげるよ。」
正直なところ、彼女の提案はすごく魅力的だった。今すぐにでも返事がしたいほど。
彼女の言うとおり、きっと私を楽しませてくれるのかもしれない。
でも私には…。
その提案を受け入れることができない。
役目すら放棄してしまった私には…。
「ごめん…なさい。」
「そっか。これでも自信があったけど。」
「……。」
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