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その時だった。
「いたか？」
「いや！こっちにはいない！」
再び廊下からクラスメイトの声がした。
一周してまた戻ってきたんだ。
「っ！」
また思い出してしまった。
そうだよ、私は…。
どうしよう。
ここもいつかバレちゃうよ。
「あのさぁ。」
「はい…。」
「ちょっと前から気になってたけど、妙に騒がしいんだよね。一部の生徒が何やら何か探してたみたいで。」
「………。」
「もしかして、君が関係してる？」
答える代わりに頷いた。
きっとその一部の生徒とは私のクラスメイトに違いない。
阿島さんは私をじっと見る。
何を考えているのか分からない。
「うーん、なんで？」
「それは…。」
「それからそこにあるのは服？」
どうしよう。
言ったら絶対変な子って思われるよ。
ミスコンに出る…なんて。
また俯いていると。
ｶﾞﾗｯとまた扉が開いた。
今度こそクラスメイトかと思って、さらに身体を縮めたら。
「全くこんなところで何してるのよ。」
女の子の声。
でも私は、この人も知っている。
「うげ、杏奈。なんでここが分かったのさ。」
入ってきたのは、坂野杏奈さんだった。
彼女は、阿島さんほどの問題行動を起こしているわけではないが、阿島さんや瑞木千景さんという問題児含めたグループにいることで有名だから。
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