お姫様になった日

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「あんたね、有名人でしょうが。目撃者だらけだったのよ。」 「えぇ…。センセたちにバレるじゃん。」 「気付けば消えるの、やめてよ。探すのは簡単だけど面倒…ってあら?」 ようやく私の存在に気付いたらしい。 初めて間近で坂野さんを見たけど…可愛い顔している。 派手な見た目だけど…なんだか怖いっていう雰囲気がなかった。 「何、虐めてんの?紫乃。」 「人聞き悪いからね!?」 「小動物みたいにプルプル震えちゃっているじゃない。泣きそう…っていうか微かに泣いた後もあるわね…。」 頭をポンポンとされた。 すごく優しい手つきで…なんだか慣れているみたいだった。 「いやぁ、前からサボり部屋として狙ってたここが開いてたから入った時にはこの子がいてさ。少し話してただけだって!」 「大丈夫?あとでこのバカに言い聞かせておくからね?」 「あの、何もしてないから。何かした前提はやめてくれないかな。」 優しい。 噂だと、すごく怖いって…。 何人か呼び出してシメたことあるとか。 でもそれはきっと嘘なんだ。 なんでか分からないけど…そう思う。 「なんかさ、妙に騒がしいことにこの子が関わっているみたいで。」 「うん?もしかして…あなた、ミスコン出場者?」 「えっ!?」 思わず声をあげてしまった。 一髪で言い当てられるとは思ってもなかったから。 「ミスコン?何々?詳しく!」 「食い付くと思った……ってか知らなかったの?ミスコンは毎年恒例らしいわよ?」 「マジかぁ…。なんで杏奈はその子がミスコン出場者って思ったの?」 「隣のクラスの連中が誰か探してるみたいだったし、それがこの子でしょ?クラスの出し物ではないだろうし、他のイベントで大きいものはミスコンくらいだし。後はその衣装かな。少し派手めだから分かるわよ。」 衣装までミスコンのためのものってバレているようだった。 もう言い逃れとか出来そうにない。
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