お姫様になった日

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「え、え?」 勿論私は、ついていけない。 でも何やらよくないことをしようとしているのは確かだと思う。 「よっし!早速瑞木のやつに連絡して捕まえないと!マッキーと優芽には男子を拉致ってきてもらおっと!」 「さらりとえげつないこと言うわね。」 「杏奈には他に協力してくれそうなメンツ集めて!何するかは後でメッセージ送るから!」 「その前にさ、紫乃。」 「うん?」 「この子、磨きたい。」 「えぇ!?」 訳が分からず、ただ聞いているだけだったからいきなり振られて驚いてしまった。 いや、さっきから驚きしかないんだけど。 「えっと…坂野、さん?」 「私にいじらせて?自分なんかって思えないくらい可愛くしたい。」 「………杏奈、その子は元から可愛いよ。」 「そうね、少し語弊。もっとあなたの可愛さを表に出したいの。」 なんで……? 疑問しか出てこない。 「急にごめんなさい。可愛いのにこうして髪の毛で隠すなんて…もったいない。」 「そうだね。せっかくだから自分なんかって思わなくなるくらいやってよ。」 えっと、 拒否権は……ないのですか。 だってせっかくやってもらっても…。 「諦めて。こうなった杏奈を止められるのはいないから。」 「えっ…。」 「あんたにだけは言われたくないわよ!」 やっぱり拒否権はないようで。 空き教室にいる私に逃げ道もなく、坂野さんに捕まったのだった。
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