お姫様になった日

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数分後。 磨く…とか言ってたけど思っていたよりもずっとシンプルだったと思う。 なんせ時間的にはほとんどたってないのだから。強いていえば、前髪を切られて櫛でとかしてもらい、眉とか整えられたくらいかな。 後は…。 「これ…私?」 「えぇ。とはいっても元がめちゃくちゃいいから髪と眉整えて、色付きのリップつけただけね。まさかこれだけでここまでとか…反則でしょ。」 鏡を見ても私だ。 でもいつもと違う。 雰囲気が180度違う。 「どーよ!紫乃!私の腕は!」 坂野さんは、ずっと電話とかして忙しくしていた阿島さんに声をかけた。 彼女はどんな反応をするのかな。 可愛いって……思ってくれるのかな。 「あれ?」 どうして阿島さんの反応が気になるの…? 私は、阿島さんに可愛いって思ってほしいって…考えてるの? 「んー?終わっ…た…。」 彼女は私を見る。 そして固まった。 「紫乃?」 「………思った。」 「ぇ?」 「むちゃくちゃ可愛い。お姫様がいるのかと思った。」 ドクン。 彼女の一言に思わず胸をおさえた。
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