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「さすがは私でしょ?」
「いやこの子が元から可愛いから。」
「……紫乃?」
「はい、杏奈のおかげさまでもありますね。怖いので睨まないでくだせぇ。」
胸が痛い。
何これ…。
「色々段取りはつけたから後は実行のみ!ふははは!恒例のミスコンから…前代未聞のイベントになるぞ!」
「そうね、今まで見物してたやつらが見せ物になる番。紫乃、あとはこっちでやるから、そっちは任せたわよ?」
「もちろん!」
坂野さんはそう言って空き教室を出ていく。
阿島さん、坂野さんたちと何かするみたいだし…また一人になっちゃう。
もっと話してみたいのに。
それにしても…。
坂野さんって話しやすい人なんだ。
怖いっていう噂だったけど、全然そんなことない。
むしろ話しやすい。
なんていうか…面倒見がすごくいいお姉さんって感じ。
「それじゃあ私たちもいこっか。」
「え…?でも私、そろそろクラスのところに…戻らないと…。」
「君は今から私に誘拐されないと!ほら!走るからね!」
「誘拐!?え、あ、ちょっと…!」
ぐいっと半ば無理やり手を引っ張られ、教室から出る。
いや連れ出されたというべきか。
「君、名前とクラスは?」
「へ?えっと、一年三組…白鷺…雪姫。」
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